連休も終わり、少し落ち着いてきたこの頃です。私も再来月に向けて、バッハの仕上げに取り組まなくてはいけません。大好きな「半音階的幻想曲とフーガ」ですが、どのようにまとめるか、悩みながらの練習です。
この曲は以前に取り上げたブゾーニ編曲の「シャコンヌ」と同じd-mollの作品ですが、私はこのd-mollという調性にとても惹かれます。 同じ♭(フラット)系のg-mollやc-mollの持つある種の華やかさはなく、非常に深い哀しみや寂しさを感じられる調ですが、その中に秘めた力強さも併せ持つ調だと思います。この曲もd-mollの魅力がバッハによって見事に引き出された素晴らしい作品です。少しでも良い演奏ができるよう、1音1音を大切に練習を積んでいきたいと思っています。
バッハの作品を練習する時はいつも、学生時代、本当にピアノのことだけを考えてひたむきにピアノに向き合っていた頃を思い出し、身が引き締まります。私にとってバッハは、やはり原点と言えるのではないかと感じています。